共有とは?宅建試験の重要ポイントを徹底解説

共有の定義

共有(きょうゆう)とは、一つの物を複数の人が共同で所有する状態のことです。 例えば、兄弟3人で親の土地を相続した場合、その土地は兄弟3人の共有となります。共有関係にある各所有者を「共有者」、各共有者が持つ所有権の割合を「持分(もちぶん)」といいます。

マンションのような区分所有建物では、各所有者が単独で所有する「専有部分」(例:住戸)と、所有者全員で共有する廊下やエレベーターなどの「共用部分」に分かれます。 この共用部分は、区分所有者全員の共有に属します。

共有のポイント

宅建試験で問われる共有のポイントは、主に「持分」と「共有物の利用・管理方法」です。

1. 持分割合

  • 原則: 各共有者の持分は、相等しいものと推定されます(民法第250条)。例えば、3人で共有している場合、特に取り決めがなければ各自の持分は3分の1となります。
  • 特約: 当事者間の合意(特約)で、持分割合を自由に定めることも可能です。
  • 区分所有建物の場合: マンションの共用部分の持分は、原則としてその人が所有する専有部分の床面積の割合によります(区分所有法第14条)。 ただし、これも規約によって別段の定めをすることができます。

2. 共有物の使用

各共有者は、その持分に応じて、共有物の全部を使用することができます(民法第249条)。 例えば、持分が3分の1であっても、土地の3分の1しか使えないわけではなく、土地全体を持分割合に応じて利用できる、ということです。

3. 共有物の管理・変更・保存

共有物に関する行為は、その内容の重要度に応じて「保存」「管理」「変更」の3つに分類され、それぞれ必要な要件が異なります。 2023年4月1日に施行された改正民法により、特に「管理」と「変更」のルールが一部変更されているため、正確に理解しておく必要があります。

| 行為の種類 | 内容 | 必要な同意 | 具体例 | | :--- | :--- | :--- | :--- | | 保存行為 | 共有物の現状を維持する行為 | 各共有者が単独で可能 | ・建物の修繕<br>・不法占拠者に対する明渡し請求 | | 管理行為 | 共有物を利用・改良する行為 | 各共有者の持分の価格の過半数の同意 | ・共有物を賃貸する契約の締結・解除<br>軽微な変更(形状や効用の著しい変更を伴わないもの) | | 変更行為 | 共有物の性質や形状を大きく変える行為 | 共有者全員の同意 | ・土地の売却<br>・建物の増改築<br>抵当権の設定 |

【法改正ポイント】 改正民法では、これまで「変更行為」として全員の同意が必要だった行為のうち、「形状又は効用の著しい変更を伴わないもの」が**「軽微変更」**として、持分の過半数で決定できる「管理行為」に含まれることになりました。 例えば、砂利道をアスファルト舗装するような行為がこれにあたります。

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具体例で理解する共有

【ケース1:相続した土地の共有】 Aさん、Bさん、Cさんの3兄弟が、父親の土地(持分は各3分の1)を共同で相続しました。

  • 土地の草刈りをする(保存行為): Aさんが一人で判断して行うことができます。
  • 土地を駐車場として第三者に貸す(管理行為): Aさん(1/3)とBさん(1/3)の賛成があれば、持分の合計が過半数(2/3)を超えるため、Cさんが反対していても契約できます。
  • 土地全体を売却する(変更行為): Aさん、Bさん、Cさん全員の同意が必要です。一人でも反対すれば売却できません。

【ケース2:マンションの共用部分】 分譲マンションの廊下や階段は、区分所有者全員の共有物です。これらの大規模な修繕や建て替えなどは、民法の共有のルールではなく、区分所有法に定められた集会の「特別決議」(原則、区分所有者及び議決権の各4分の3以上)など、特別なルールが適用される点に注意が必要です。

試験対策:ひっかけに注意!

宅建試験では、共有に関するルールを正確に理解しているかが問われます。以下のひっかけポイントに注意しましょう。

  • ×「共有者は、その持分の割合に応じて共有物の一部を使用できる」〇「共有者は、その持分に応じて共有物の全部を使用できる」。使用できる範囲は「全部」です。

  • ×「共有物の管理に関する事項は、共有者の頭数の過半数で決定する」〇「共有物の管理に関する事項は、持分の価格の過半数で決定する」。 人数ではなく、持分割合の過半数である点が重要です。

  • ×「共有地の砂利道をアスファルト舗装するには、共有者全員の同意が必要である」〇「法改正により、軽微な変更として持分の過半数で決定できる」。 これは改正民法の重要ポイントなので必ず押さえましょう。

  • ×「共有者の一人が持分を放棄した場合、その持分は国庫に帰属する」〇「他の共有者にその持分に応じて帰属する」相続人がいないで死亡したときも同様です。

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よくある質問

Q: 共有者の一人が、自分の持分だけを売却することはできますか?

A: はい、できます。 各共有者は、自分の持分を自由に処分(売却や抵当権の設定など)することができます。 この場合、他の共有者の同意は必要ありません。

Q: 共有者の一人と連絡が取れない場合、共有物を売却することは絶対に不可能ですか?

A: 以前は非常に困難でしたが、民法改正により、共有者の中に所在が不明な人がいる場合、裁判所の決定を得ることで、残りの共有者全員の同意によって共有物全体の売却(変更行為)などが可能になる制度ができました。 詳細は最新の法令を確認してください。

Q: 共有物の分割を請求することはできますか?

A: はい、各共有者は原則としていつでも共有物の分割を請求することができます。 ただし、5年を超えない期間であれば、分割をしない旨の契約(不分割特約)をすることも可能です。

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※ この記事は2026年度宅建試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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共有者の一人が、自分の持分だけを売却することはできますか?

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公開日: 2026/5/26 / 更新日: 2026/6/1

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