抵当権とは?宅建試験の重要ポイントを徹底解説

抵当権の定義

抵当権(ていとうけん)とは、債務者または第三者(物上保証人)が 占有を移転せずに 債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受けることができる権利をいいます(民法第369条)。

住宅ローンを組む際に銀行が土地・建物に設定するのが典型例です。抵当権は宅建試験で 毎年出題される最重要テーマ の一つです。

抵当権のポイント

抵当権の特徴

  1. 非占有担保: 設定者(債務者等)は不動産を 使い続けることができる質権との最大の違い)
  2. 約定担保物権: 当事者の合意(抵当権設定契約)によって成立する
  3. 付従性: 被担保債権がなければ抵当権も成立しない。被担保債権が消滅すれば抵当権も消滅する
  4. 随伴性: 被担保債権が譲渡されれば、抵当権もそれに伴って移転する
  5. 不可分性: 被担保債権全額の弁済を受けるまで、目的物全部について権利を行使できる
  6. 物上代位性: 目的物の売却代金・賃料・保険金等に対しても行使可能(払渡し前に差押え が必要)

抵当権の効力が及ぶ範囲(民法第370条)

  • 付加一体物: 抵当不動産に付加して一体となっている物(増築部分、庭石など)
  • 従物: 設定時に存在した従物に及ぶ(判例)
  • 果実: 被担保債権の 不履行後 に生じた天然果実・法定果実(賃料)に及ぶ(民法第371条)

抵当権の順位

  • 同一不動産に複数の抵当権を設定可能
  • 順位は 登記の先後 による(民法第373条)
  • 各抵当権者は順位に従い配当を受ける
  • 順位の変更: 各抵当権者の合意 + 利害関係人の承諾 + 登記 が必要(民法第374条)
📝

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具体例で理解する抵当権

事例: Aが所有する時価5,000万円の土地に、以下の抵当権が設定されている。

| 順位 | 抵当権者 | 被担保債権額 | |------|---------|------------| | 1番 | B銀行 | 3,000万円 | | 2番 | C信金 | 2,000万円 | | 3番 | D | 1,500万円 |

土地が競売され4,500万円で売却された場合:

  • B銀行: 3,000万円 全額回収
  • C信金: 1,500万円(4,500万-3,000万)のみ回収(500万円が回収不能)
  • D: 0円(配当なし)

法定地上権(民法第388条)

抵当権の実行により土地と建物の所有者が異なることになった場合、建物のために 法定地上権 が成立します。

成立要件(4つすべて必要):

  1. 抵当権設定当時、土地の上に建物が 存在 していたこと
  2. 抵当権設定当時、土地と建物が 同一の所有者 に属していたこと
  3. 土地または建物の 一方または双方 に抵当権が設定されたこと
  4. 競売の結果、土地と建物の所有者が 異なる ことになったこと

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試験対策:ひっかけに注意!

  1. 物上代位と差押え: 抵当権者が賃料に物上代位する場合、賃料が賃借人から設定者に 払い渡される前に差押え をしなければならない。払渡し後は不可。

  2. 抵当権消滅請求と代価弁済の違い:

    • 抵当権消滅請求(民法第379条): 抵当不動産の 第三取得者 が、自ら評価した金額を提示して抵当権の消滅を請求。主たる債務者・保証人は請求 不可
    • 代価弁済(民法第378条): 抵当権者 の請求に応じて、第三取得者が代価を弁済
  3. 一括競売(民法第389条): 更地に抵当権を設定した後に建物が築造された場合、抵当権者は土地と建物を 一括して競売 できる。ただし、優先弁済を受けられるのは 土地の代価 についてのみ。

  4. 根抵当権との違い: 普通抵当権は特定の債権を担保するが、根抵当権は 極度額 の範囲内で不特定の債権を担保する(民法第398条の2)。

よくある質問

Q: 抵当権が設定された不動産を売却できますか?

A: はい。抵当権が設定されていても、所有者は自由に不動産を売却できます。ただし、抵当権は不動産に付いたまま移転するため、買主(第三取得者)は抵当権の実行(競売)のリスクを負います。

Q: 抵当権の被担保債権の範囲は?

A: 元本のほか、利息その他の定期金は 満期となった最後の2年分 についてのみ優先弁済を受けられます(民法第375条)。後順位抵当権者や一般債権者の利益を保護するための制限です。

Q: 抵当権設定後に増築した部分にも抵当権は及びますか?

A: はい。抵当権設定後に付加された物であっても、付加一体物として抵当権の効力が及びます(民法第370条)。ただし、独立した別個の建物として認められる場合は及びません。

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※ この記事は2026年度宅建試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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公開日: 2026/4/23 / 更新日: 2026/6/20

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