管理者とは?宅建試験の重要ポイントを徹底解説

管理者の定義

管理者とは、マンションなどの区分所有建物において、共用部分等を保存し、集会の決議を実行し、規約で定められた行為を行う者のことです。 区分所有法第25条第1項に基づき、区分所有者で構成される団体(管理組合)の代表者として、管理に関する業務を執行する重要な役割を担います。 実務上は、管理組合の「理事長」が管理者に就任するケースが多く見られます。

根拠条文は以下の通りです。

【区分所有法 第25条第1項】 区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を選任し、又は解任することができる。

管理者のポイント

宅建試験で問われる管理者の重要ポイントを3つに絞って解説します。

1. 選任と解任は「集会の普通決議」が原則

管理者の選任・解任は、規約に特別な定めがなければ、集会(しゅうかい)の普通決議(区分所有者および議決権の各過半数)によって行われます。 「特別決議(4分の3以上など)が必要」といったひっかけ問題に注意しましょう。

また、管理者に不正な行為など、その職務に適しない事情がある場合は、各区分所有者が単独で裁判所に解任を請求することも可能です。

2. 管理者の資格に制限はない

管理者は、区分所有者である必要はありません。 法律上の資格制限はなく、外部の専門家であるマンション管理士や弁護士、さらには法人でも管理者になることができます。 「管理者は区分所有者でなければならない」という選択肢は誤りです。

3. 管理者の権限と義務

管理者の主な権限と義務は以下の通りです。

  • 保存行為: 共用部分(廊下、階段、エレベーターなど)の現状を維持するための行為です。例えば、共用廊下の電球交換や、破損した窓ガラスの修理などが該当します。保存行為は、管理者が単独で行うことができます。
  • 集会の決議の実行: 総会で決定した事項(大規模修繕工事の実施など)を実行する権利と義務があります。
  • 規約で定められた行為: 管理規約によって定められた業務(例:管理費等の徴収、保管、支出など)を行います。
  • 訴訟追行権: 規約または集会の決議により、管理組合の代表として、区分所有者のために原告や被告になることができます。
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具体例で理解する管理者

分譲マンションの「ABCマンション」を例に考えてみましょう。

ABCマンションでは、管理規約に基づき、年に一度の通常総会で役員が選出され、互選によってAさんが理事長に就任しました。このAさんが、区分所有法上の「管理者」となります。

ある日、マンションのエントランスの自動ドアが故障しました。これは共用部分の保存に関わる問題なので、管理者であるAさんは、集会の決議を経ずに修理業者に依頼し、修理を行いました(保存行為)。

また、その年の総会で「防犯カメラを新たに設置する」という議案が可決されました。Aさんは、この決議に基づき、業者選定、契約、工事の立ち会いなどを行い、防犯カメラの設置を完了させました(集会の決議の実行)。

このように、管理者はマンションの資産価値や住環境を維持するために、日々の細かな修繕から、集会で決まった大きな事業まで、様々な業務を執行する重要な役割を担っています。

試験対策:ひっかけに注意!

宅建試験では、以下のような「ひっかけ」が出題されやすいので注意しましょう。

  • ひっかけ1:「管理者の選任・解任には、集会の特別決議が必要である」

    • → 誤り。 原則として普通決議で足ります。規約で別段の定めをすることも可能です。
  • ひっかけ2:「管理者は、区分所有者の中から選任しなければならない」

    • → 誤り。 区分所有者である必要はなく、外部の専門家や法人でも管理者になることができます。
  • ひっかけ3:「管理者は、集会の決議がなくても、共用部分の重大な変更(例:階段をスロープにする)を行うことができる」

    • → 誤り。 管理者が単独で行えるのは保存行為までです。 共用部分の変更(特に形状や効用の著しい変更を伴う「重大変更」)には、原則として集会の特別決議が必要です。

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よくある質問

Q: 管理者は必ず置かなければならないのですか?

A: いいえ、法律上、管理者を置くことは義務ではありません。 区分所有者は、規約で定めたり、集会で決議したりすることによって、管理者を置くことができます。

Q: 管理者と管理会社の違いは何ですか?

A: 管理者は、区分所有法に基づき管理組合を代表する「機関」であり、多くの場合、理事長がその役を担います。一方、管理会社は、管理組合との間で「管理委託契約」を締結し、清掃、点検、管理費の出納といった管理の実務を請け負う「事業者」です。両者は全く異なる存在です。

Q: 2026年の法改正で管理者に関する変更点はありますか?

A: 2026年4月1日に施行される改正区分所有法では、決議要件の緩和など大きな変更がありますが、管理者(区分所有法第25条)の選任・解任や基本的な権限に関する直接的な改正は含まれていません。 ただし、管理不全の専有部分等について裁判所が「管理人」を選任できる制度が新設されるなど、関連する分野での改正はありますので、最新の法令を確認してください。

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※ この記事は2026年度宅建試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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公開日: 2026/6/17 / 更新日: 2026/6/17

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