表示の登記とは?宅建試験の重要ポイントを徹底解説
表示の登記の定義
表示の登記(ひょうじのとうき)とは、土地や建物といった不動産の物理的な状況を公示するための登記のことです。 不動産の「戸籍」のようなものとイメージすると分かりやすいでしょう。具体的には、土地であれば「所在・地番・地目(ちもく)・地積(ちせき)」、建物であれば「所在・家屋番号・種類・構造・床面積」などが、登記記録の**表題部(ひょうだいぶ)**に記録されます。
不動産登記法は、不動産の物理的な現況と権利関係を公示することで、国民の権利を保全し、取引の安全と円滑を図ることを目的としています。表示の登記は、その中でも不動産を特定し、権利の客体を明確にするという重要な役割を担っています。
表示の登記のポイント
宅建試験で問われる表示の登記のポイントは以下の3つです。
1. 申請義務がある(1ヶ月以内) 建物を新築したり、登記のない土地の所有権を取得したりした者は、その所有権の取得の日から1ヶ月以内に表題登記(ひょうだいとうき)を申請する義務があります。 これは権利の登記が任意であることとの大きな違いです。また、建物を取り壊した際の滅失登記(めっしつとうき)も同様に1ヶ月以内の申請義務があります。
2. 登記官が職権でも行える 表示に関する登記は、所有者からの申請がなくても、登記官が自らの判断(職権)で行うことができます。 ただし、登記官に職権で行う権限があるからといって、所有者の申請義務が免除されるわけではないので注意が必要です。
3. 第三者への対抗力はない 表示の登記は、あくまで不動産の物理的な状況を示すものであり、所有権などの権利関係を第三者に主張するための効力(対抗力)はありません。 第三者に対抗できるのは、登記記録の権利部(甲区・乙区)に記録される「権利の登記」です。
具体例で理解する表示の登記
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建物の新築(建物表題登記) Aさんが自己資金で家を新築した場合、Aさんは建物の所有権を取得した日(通常は工事完了日)から1ヶ月以内に、建物の所在や床面積などを記録する「建物表題登記」を申請しなければなりません。この表題登記が完了して初めて、所有権保存登記(権利の登記)を申請できるようになります。
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土地の埋め立て(土地表題登記) 海を埋め立てて新たに土地が生じた場合、その土地の所有者は1ヶ月以内に、所在や地番、地目、地積などを記録する「土地表題登記」を申請する義務があります。
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建物の取り壊し(建物滅失登記) 古い家を取り壊した場合、所有者はその日から1ヶ月以内に「建物滅失登記」を申請する義務があります。これを怠ると、存在しない建物が登記上残り続け、固定資産税が課され続けるなどの不利益が生じる可能性があります。
試験対策:ひっかけに注意!
宅建試験では、表示の登記と権利の登記を混同させる問題が頻出します。以下のひっかけポイントに注意しましょう。
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ひっかけ1:「対抗力」の有無 「表示の登記をすれば、第三者に所有権を主張できる」という選択肢は誤りです。第三者への対抗力を持つのは、所有権移転登記などの「権利の登記」です。
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ひっかけ2:申請義務の期間 表示に関する登記(表題登記・滅失登記)の申請義務は「1ヶ月以内」です。 2024年4月1日から義務化された相続登記の「3年以内」や、2026年4月1日から義務化される住所等変更登記の「2年以内」といった他の期間と混同しないように、正確に暗記しましょう。
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ひっかけ3:申請義務の有無 「権利の登記は任意申請なので、表示の登記も任意である」という選択肢は誤りです。表示の登記には申請義務があります。 逆に、「すべての登記には申請義務がある」という選択肢も、権利の登記が任意であるため誤りとなります。
よくある質問
Q: 表示の登記の申請を怠ると、どうなりますか?
A: 正当な理由なく申請を怠った場合、10万円以下の過料(かりょう)に処せられる可能性があります。 また、建物の表題登記がされていないと、その建物を売却したり、住宅ローンを組むために抵当権を設定したりすることができません。
Q: 表示の登記は誰に依頼するのが一般的ですか?
A: 表示に関する登記は、図面の作成など専門的な知識が必要なため、土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)が代理人として申請するのが一般的です。 権利に関する登記を司法書士が代理するのと対比して覚えておきましょう。
Q: 相続した実家が未登記でした。この場合も1ヶ月以内に登記が必要ですか?
A: はい、必要です。表題登記がない建物を相続によって取得した場合も、「所有権を取得した者」として、その事実を知った日から1ヶ月以内に表題登記を申請する義務があります。これは、相続した権利を登記する「相続登記」(3年以内の申請義務)とは別の手続きですので注意してください。
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※ この記事は2026年度宅建試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。
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