所有権留保等の禁止とは?宅建試験の重要ポイントを徹底解説

所有権留保等の禁止の定義

所有権留保(しょゆうけんりゅうほ)等の禁止とは、宅地建物取引業者(以下、宅建業者)が自ら売主となり、宅地または建物の割賦販売(かっぷはんばい)を行った場合に、原則として、買主への目的物の引渡しまでに所有権移転登記などの義務を履行しなければならず、代金の未払いを理由に所有権を留保したり、譲渡担保にしたりすることを禁止する制度です。 [6, 12, 19]

これは、宅建業者が買主(業者を除く)に対して自ら売主となる場合に課される「8種制限」の一つであり、買主の保護を目的としています。 [12, 18] 買主は代金を分割で支払っているにもかかわらず、所有権が移転されないと法的に不安定な立場に置かれてしまうため、このような規制が設けられています。

根拠条文は宅地建物取引業法第43条です。 [2]

所有権留保等の禁止のポイント

試験対策として押さえるべき重要なポイントは、原則と例外の要件です。特に数字の要件は正確に記憶しましょう。

原則:引渡しまでに登記等を移転

宅建業者は、自ら売主として宅地建物の割賦販売を行った場合、目的物を買主に引き渡すまでに、所有権移転登記の申請など、売主としての義務を果たさなければなりません。 [1, 6]

例外:所有権を留保できるケース

原則として所有権留保は禁止されていますが、買主からの支払額が少ない段階で宅建業者に登記移転を強制するのは酷なため、例外が認められています。 [12]

以下のいずれかの条件に該当する場合、宅建業者は所有権を留保できます。

  1. 受領した代金の額が、物件価格の10分の3以下の場合 [12, 14] 宅建業者が買主から受け取った金額が、売買代金の3割に満たないうちは、所有権移転登記を拒むことができます。

  2. 残代金について、買主が担保を提供する見込みがない場合 [2, 12] たとえ受け取った金額が代金の10分の3を超えていても、残りの代金支払いについて、買主が抵当権設定の登記を申請したり、保証人を立てたりする見込みがないときは、例外的に所有権を留保することが認められます。 [2]

【覚え方のコツ】サー(3)ブ(10)くれるまでは待てる」と覚えましょう。つまり、代金の10分の3を超える支払いを受けるまでは、所有権移転登記というボールをサーブしなくても(渡さなくても)良い、とイメージすると記憶に残りやすいです。

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所有権留保等の禁止」― 宅建業法の頻出論点、押さえてる?

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具体例で理解する所有権留保等の禁止

【ケーススタディ】 宅建業者Aが、宅建業者ではない買主Bとの間で、代金3,000万円の土地付き建物を割賦販売する契約を締結し、物件を引き渡した場合を考えてみましょう。

  • BがAに900万円(代金の10分の3)を支払った この時点では、Aが受領した額は代金の10分の3「以下」なので、AはBへの所有権移転登記を拒否し、所有権を留保することができます。 [12]

  • BがAに1,000万円(代金の10分の3超)を支払った Aが受領した額が代金の10分の3を「超えた」ため、Aは原則として、残代金が2,000万円残っていても、Bのために所有権移転登記を申請しなければなりません。 [14] もしこの義務を怠れば、宅建業法違反となります。

試験対策:ひっかけに注意!

宅建試験では、数字の要件や適用対象を混同させる「ひっかけ問題」が頻出します。以下の点に注意してください。

  • 数字の混同に注意! 宅建業法には様々な割合が出てきます。所有権留保の「10分の3」を、手付金の額の制限(10分の2)や、手付金等保全措置が必要となる基準(未完成物件は5%、完成物件は10%)と混同しないように、正確に区別して覚えましょう。

  • 「割賦販売」が対象 この規制は、代金を分割で長期間にわたって受け取る「割賦販売」の場合に適用されます。 [7, 11] 一括払いの契約など、すべての売買契約に適用されるわけではない点を押さえておきましょう。 ※宅建業法上の割賦販売とは、目的物の引渡し後1年以上の期間にわたり、かつ、2回以上に分割して代金を受領する契約を指します。 [4, 7]

  • 「等」の意味 「所有権留保の禁止」という名称のとおり、所有権を売主に留めておく「所有権留保」だけでなく、一度買主に移転した所有権を担保として売主に戻す「譲渡担保」も禁止の対象です。 [1]

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よくある質問

Q: なぜ「所有権留保等の禁止」というルールがあるのですか?

A: 買主を保護するためです。買主は代金を分割で支払い続けているのに、いつまでも所有権が自分に移転されないと、売主である宅建業者が倒産した場合などに、支払ったお金も物件も失ってしまうという非常に不安定な立場に置かれます。 [6] このようなリスクから買主を守るために、一定額の支払いがなされた後は速やかに所有権を移転させるよう、宅建業者に義務付けています。

Q: 住宅ローンを利用する場合も割賦販売にあたりますか?

A: 住宅ローンは、買主が金融機関から融資を受け、そのお金で売主である宅建業者に代金を一括またはそれに近い形で支払うものです。宅建業者が買主から直接分割で支払いを受けるわけではないため、通常は宅建業法上の「割賦販売」には該当しません。 [4]

Q: もし宅建業者がこのルールに違反したらどうなりますか?

A: 宅地建物取引業法第43条に違反した場合、その宅建業者は監督処分(指示処分や業務停止処分)の対象となる可能性があります。また、買主に不利な特約は無効となります。詳細は最新の法令を確認してください。

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※ この記事は2026年度宅建試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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なぜ「所有権留保等の禁止」というルールがあるのですか?

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公開日: 2026/6/19 / 更新日: 2026/6/19

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