所得税(譲渡所得)とは?宅建試験の重要ポイントを徹底解説

所得税(譲渡所得)の定義

所得税(しょとくぜい)における譲渡所得(じょうとしょとく)とは、土地、建物、株式、ゴルフ会員権などの資産を譲渡(売却)することによって生じる所得を指します。 宅建試験では、特に土地・建物を売却した際の譲渡所得が重要となります。個人の土地・建物の譲渡所得は、給与所得などの他の所得とは合算せず、分離して税額を計算する「分離課税(ぶんりかぜい)」の対象となります。

根拠条文は所得税法第33条で、「譲渡所得とは、資産の譲渡(中略)による所得をいう」と定められています。

所得税(譲渡所得)のポイント

宅建試験で問われる譲渡所得の最重要ポイントは、課税対象となる所得金額の計算方法と、税率、そして様々な特例です。

譲渡所得の計算方法

譲渡所得は以下の計算式で算出します。

収入金額 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除額 = 課税譲渡所得金額

  • 収入金額: 土地や建物を売った金額です。
  • 取得費(しゅとくひ): 売った土地や建物の購入代金や購入手数料、改良費などから、建物の減価償却費(げんかしょうきゃくひ)相当額を差し引いた金額です。 取得費が不明な場合や実際の取得費が収入金額の5%より少ない場合は、収入金額の5%を概算取得費(がいさんしゅとくひ)とすることができます。
  • 譲渡費用(じょうとひよう): 売るために直接かかった費用で、仲介手数料や印紙税、測量費などが含まれます。
  • 特別控除額: 一定の要件を満たすことで適用される控除で、代表的なものに「居住用財産の3,000万円特別控除」があります。

長期譲渡所得と短期譲渡所得

譲渡所得は、売却した不動産の所有期間によって「長期」と「短期」に分けられ、適用される税率が大きく異なります。 この所有期間は、譲渡した年の1月1日時点で5年を超えているかどうかで判断します。

| 区分 | 所有期間(譲渡した年の1月1日時点) | 税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計) | | :--- | :--- | :--- | | 短期譲渡所得 | 5年以下 | 39.63% | | 長期譲渡所得 | 5年超 | 20.315% |

代表的な特例

宅建試験では、特に居住用財産(マイホーム)を売却した際の特例が頻繁に出題されます。

  1. 居住用財産の3,000万円特別控除 所有期間に関わらず、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例です。 適用には、自分が住んでいる家であること、親子や夫婦間の売買でないこと、前年・前々年にこの特例を使っていないことなどの要件があります。

  2. 10年超所有の居住用財産の軽減税率の特例 所有期間が10年を超える居住用財産を売却した場合、課税譲渡所得6,000万円以下の部分について、税率が**14.21%**に軽減される特例です。 この特例は、3,000万円特別控除と併用することができます。

  3. 特定の居住用財産の買換えの特例 所有期間10年超などの要件を満たすマイホームを売却し、新たにマイホームを購入した場合、一定の要件のもと、譲渡益への課税を将来に繰り延べることができる制度です。 この特例は、3,000万円特別控除や軽減税率の特例と選択適用となり、併用はできません。

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具体例で理解する所得税(譲渡所得)

【例】 所有期間8年のマイホームを5,000万円で売却した。取得費は3,500万円、譲渡費用は200万円だった。

  1. 譲渡所得を計算する 5,000万円(収入金額) - (3,500万円(取得費) + 200万円(譲渡費用)) = 1,300万円

  2. 3,000万円特別控除を適用する 1,300万円(譲渡所得) - 3,000万円(特別控除) = -1,700万円

  3. 課税譲渡所得金額を算出する 課税譲渡所得金額は0円となり、所得税はかかりません。

もしこの物件がマイホームでなく、3,000万円特別控除が使えない場合、所有期間が8年(5年超)なので長期譲渡所得となります。 課税譲渡所得1,300万円 × 20.315% = 2,640,950円 の税金がかかります。

試験対策:ひっかけに注意!

  • 所有期間のカウント方法 最も注意すべきは所有期間の判定基準日です。 「売却した日」ではなく、「売却した年の1月1日時点」で5年を超えているかを見ます。 例えば、2020年4月に購入した土地を2025年5月に売却した場合、実際の所有期間は5年1ヶ月ですが、2025年1月1日時点では4年9ヶ月なので「短期譲渡所得」となります。

  • 3,000万円特別控除の適用相手 親子や夫婦、生計を一つにする親族など、特別な関係にある人への売却では、3,000万円特別控除は適用できません。

  • 特例の併用関係 「3,000万円特別控除」と「軽減税率の特例」は併用可能です。 しかし、「買換えの特例」とこれらの特例は併用できません。 また、住宅ローン控除とも併用できないケースがあるため、どの特例が併用可能で、どれが選択適用なのかを正確に整理しておく必要があります。

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よくある質問

Q: 取得費がわからない場合はどうなりますか?

A: 売却した金額の5%相当額を「概算取得費」として計算することができます。 例えば、3,000万円で売却した場合、その5%である150万円を取得費とすることが可能です。

Q: 空き家になった実家を売却した場合でも3,000万円特別控除は使えますか?

A: 相続した空き家を売却する場合、一定の要件(相続開始から3年を経過する年の年末までに売却すること、耐震基準を満たすか家屋を取り壊すことなど)を満たせば、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の3,000万円特別控除」という特例を適用できる場合があります。詳細は最新の法令を確認してください。

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※ この記事は2026年度宅建試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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公開日: 2026/5/16 / 更新日: 2026/5/30

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