共同不法行為とは?宅建試験の重要ポイントを徹底解説

共同不法行為の定義

共同不法行為(きょうどうふほうこうい)とは、複数人が共同の不法行為によって他人に損害を与えた場合に、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負うことをいいます(民法第719条)。

条文では、以下の2つのケースが定められています。

  1. 数人が共同の不法行為によって他人に損害を与えたとき(民法719条1項前段)
  2. 共同行為者のうち、どの人の行為によって損害が生じたか明らかでないとき(民法719条1項後段)

また、不法行為をそそのかした者(教唆者)や、手助けした者(幇助者)も共同不法行為者とみなされます(民法719条2項)。

共同不法行為のポイント

宅建試験で問われる共同不法行為の重要ポイントは以下の3つです。

  1. 加害者間の「意思の連絡」は不要 共同不法行為が成立するために、加害者全員が事前に話し合って「一緒に悪いことをしよう」と共謀している必要はありません。 各自の行為が客観的に関連し合って損害が発生したと評価できれば成立します。 例えば、双方に過失がある自動車事故で、同乗者がケガをした場合、運転手同士に意思の連絡がなくても共同不法行為が成立します。

  2. 加害者は「不真正連帯債務」を負う 共同不法行為者たちは、被害者に対して「不真正連帯債務(ふしんせいれんたいさいむ)」を負います。 これは、各加害者が被害者に対して損害の全額を賠償する義務を負うということです。 被害者は、加害者の中の誰か一人に対して損害の全額を請求することも、全員に対して少しずつ請求することも自由にできます。 加害者の一人が全額を支払えば、他の加害者の賠償義務も消滅します。

  3. 加害者間での「求償」が可能 加害者の一人が自分の責任分を超えて被害者に賠償した場合、その超えた部分について他の加害者に対して「あなたの分を立て替えたから返してください」と請求することができます。 これを求償権(きゅうしょうけん)といいます。誰がどれだけ負担するかは、加害者間の過失の割合などに応じて決まります。

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具体例で理解する共同不法行為

【ケース1:建物の欠陥】 設計会社の設計ミスと、施工会社のずさんな工事が両方原因となって建物に欠陥が生じ、買主が損害を被った場合。設計会社と施工会社は、たとえ両者の間に意思の疎通がなくても、共同不法行為者として買主に対して連帯して損害賠償責任を負います。

【ケース2:共同仲介での説明不足】 売主側の宅建業者Aと買主側の宅建業者Bが共同で仲介を行った物件で、両方の業者の調査不足により、買主が重要な事実を知らされずに契約して損害を被った場合。業者Aと業者Bは共同不法行為者として、買主に対して連帯して損害賠償責任を負います。

【ケース3:名義貸し】 宅建業者が詐欺的な商法(原野商法など)を行っていると知らずに、宅建士が名義を貸していた場合。その宅建業者の行為によって顧客が損害を被った際、名義を貸した宅建士も詐欺行為を容易にした(幇助した)として、共同不法行為責任を問われる可能性があります。

試験対策:ひっかけに注意!

ひっかけポイント①:「共謀」は必要? 「共同不法行為は、加害者全員の共謀がなければ成立しない」という趣旨の選択肢は誤りです。前述の通り、意思の連絡(主観的関連)は不要で、行為の客観的な関連性があれば足ります。

ひっかけポイント②:誰のせいで損害が出たか不明な場合は? 「複数の加害者のうち、誰の行為が直接の原因で損害が発生したか特定できない場合、被害者は誰にも損害賠償を請求できない」という選択肢は誤りです。民法719条1項後段により、このような場合でも関係者全員が共同不法行為者として責任を負います。 これは、被害者の立証の負担を軽くし、救済を図るための規定です。

ひっかけポイント③:連帯債務との違い 共同不法行為者が負うのは「不真正連帯債務」であり、通常の「連帯債務」とは少し性質が異なります。宅建試験で深く問われることは稀ですが、例えば、被害者が加害者の一人の債務を免除しても、他の加害者は依然として全額の賠償義務を負う、という違いがあります。 (通常の連帯債務では、一人の債務を免除すると他の債務者の負担もその分軽くなります)。

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よくある質問

Q: 加害者の一人が資力がなく賠償金を支払えません。被害者は全額を賠償してもらえないのでしょうか?

A: いいえ、そのようなことはありません。共同不法行為の加害者は、それぞれが全額の賠償義務を負っています(不真正連帯債務)。そのため、加害者の一人に支払い能力がなくても、被害者は他の支払い能力のある加害者に対して損害の全額を請求することができます。

Q: 加害者同士の責任の割合はどのように決まるのですか?

A: 加害者間での負担割合は、それぞれの過失の程度や、損害発生への寄与度など、具体的な事情を考慮して決められます。 例えば、一人が全額を賠償した場合、他の加害者に対して、その加害者の過失割合に応じた金額を求償(請求)することになります。

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※ この記事は2026年度宅建試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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公開日: 2026/6/15 / 更新日: 2026/6/15

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