仮登記とは?宅建試験の重要ポイントを徹底解説
仮登記の定義
仮登記(かりとうき)とは、将来行われるべき本登記(ほんとうき)の順位をあらかじめ確保しておくために行う、予備的な登記のことです。
不動産登記法第105条では、仮登記ができる場合を次の2つのケースと定めています。
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登記申請に必要な手続き上の条件が具備しない場合(1号仮登記) 物権変動(権利の変動)は既に発生しているものの、登記識別情報通知(権利証)を紛失した場合など、申請書類が揃わないために本登記ができないケースです。
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登記の目的とする請求権を保全しようとする場合(2号仮登記) 売買予約や停止条件付き契約など、将来物権変動を生じさせる請求権があり、その権利を保全したいケースです。 宅建試験では、特にこの2号仮登記が重要となります。
仮登記のポイント
宅建試験で仮登記を理解する上で、最も重要なポイントは「順位保全効(じゅんいほぜんこう)」と「対抗力(たいこうりょく)の有無」です。
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順位保全効がある 仮登記の最大の効力は、将来本登記をしたときに、その本登記の順位が仮登記をした時点の順位になることです。 これを順位保全効といいます。たとえ仮登記の後ろに別の登記(第三者の権利など)が入ったとしても、本登記をすればその第三者よりも自分の権利が優先されることになります。
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仮登記のままでは対抗力はない 重要な点として、仮登記はあくまで「順位の予約」にすぎません。 仮登記をしただけでは、不動産の権利を取得したことを第三者に主張する「対抗力」はありません。 対抗力を得るためには、必ず本登記をする必要があります。
【覚え方のコツ】 「仮登記はあくまで『順番待ちの整理券』のようなもの」とイメージしましょう。整理券(仮登記)を持っていれば、後から来た人(後順位の権利者)がいても、自分の番(本登記)が来れば先にサービス(権利の確定)を受けられます。しかし、整理券を持っているだけでは、まだサービスを受けられるわけではありません(対抗力はない)。
具体例で理解する仮登記
Aさん(売主)とBさん(買主)が、ある土地の売買契約を締結しました。しかし、代金の支払いは1ヶ月後です。この1ヶ月の間に、Aさんが悪意を持ってCさんにも同じ土地を売却し、先にCさんへの所有権移転登記をしてしまう「二重譲渡」のリスクがあります。
そこで、Bさんは自分の権利を守るため、売買契約と同時に「所有権移転請求権を保全するための仮登記」を申請します。
【ケーススタディ】
- 5月1日:Bさん、Aさんとの売買契約に基づき、順位2番で所有権移転請求権の仮登記を行う。
- 5月15日:Aさん、Cさんにも土地を売却し、Cさんが順位3番で所有権移転の本登記を行う。
- 6月1日:Bさん、Aさんに代金を支払い、仮登記に基づき本登記を申請する。
【結末】 Bさんが本登記をすると、その順位は仮登記の順位である2番になります。 その結果、後から登記したCさんの3番の本登記はBさんの権利に対抗できなくなり、最終的に登記官によって職権で抹消されます。 このように、Bさんは仮登記によって、Cさんより後に本登記をしたにもかかわらず、土地の所有権を確実に取得することができるのです。
試験対策:ひっかけに注意!
宅建試験では、仮登記の効力を正確に理解しているかが問われます。以下のひっかけポイントに注意しましょう。
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ひっかけ①:「仮登記があれば、第三者に対抗できる」 → 間違いです。仮登記自体に対抗力はありません。 あくまで順位を保全する効力があるだけです。対抗力を有するためには本登記が必要です。
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ひっかけ②:「仮登記がされると、他の人は登記できなくなる」 → 間違いです。仮登記が入っていても、第三者はその後に本登記をすることができます。 しかし、前述の通り、仮登記をした人が後から本登記をすれば、その第三者の登記は抹消される可能性があります。
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ひっかけ③:「所有権に関する仮登記に基づく本登記は、利害関係を有する第三者の承諾がなければ申請できない」 → 原則として承諾が必要ですが、それがなくても対抗できる場合があります。利害関係人(例:上記のCさん)の承諾があればスムーズですが、承諾が得られなくても、承諾義務があることを命じる裁判の謄本などを添付すれば、単独で本登記を申請し、結果的に利害関係人に対抗できます。
よくある質問
Q: 仮登記と本登記の根本的な違いは何ですか?
A: 最も大きな違いは「対抗力の有無」です。本登記は、権利を取得したことを第三者に主張できる「対抗力」を持つ確定的な登記です。一方、仮登記は将来の本登記の「順位を保全する」ための予備的な登記であり、それ自体に対抗力はありません。
Q: なぜわざわざ仮登記をする必要があるのですか?
A: 不動産取引では、契約締結から代金決済、そして本登記の申請までに時間がかかることが一般的です。その間に売主が第三者に不動産を二重に売却してしまうリスクなどから買主の権利を守るためです。仮登記をしておくことで、将来の権利(所有権など)を安全に確保することができます。
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※ この記事は2026年度宅建試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。2026年4月1日から不動産登記法が改正され、住所等の変更登記が義務化されますが、本記事で解説した仮登記の基本的な効力に関する変更はありません。 最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。
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