手付金等の保全措置とは?宅建試験の重要ポイントを徹底解説

手付金等の保全措置の定義

手付金等の保全措置(てつけきんとうのほぜんそち)とは、宅地建物取引業者(たっちたてものとりひきぎょうしゃ)が自ら売主となり、宅地や建物の売買を行う際に、買主から受け取る手付金や中間金などが一定の額を超える場合に、その返還を確実にするために義務付けられている措置のことです。 万が一、物件の引渡し前に売主である宅建業者が倒産してしまった場合でも、買主が支払ったお金がきちんと戻ってくるように保護するための重要な制度です。

手付金等の保全措置のポイント

宅建試験で得点するために、以下のポイントを正確に押さえましょう。

1. 誰が・誰と・どんな取引で?

  • 売主: 宅地建物取引業者
  • 買主: 宅地建物取引業者ではない一般の購入者

この制度は、不動産取引のプロではない一般消費者を保護するためのものです(8種制限の一つ)。 そのため、売主と買主の双方が宅建業者である「業者間取引」には適用されません。

2. 保全措置が必要になる金額は?

保全措置が必要になるかどうかは、物件が「未完成」か「完成」か、そして受領する手付金等の額によって決まります。

| 物件の状態 | 保全措置が必要な手付金等の額 | | :--- | :--- | | 未完成物件 | 代金の5% を超える額、または1,000万円 を超える額 | | 完成物件 | 代金の10% を超える額、または1,000万円 を超える額 |

【覚え方のコツ】

  • みかん(未完)は5%、ジュース(10%)にして完成!」と覚えると、未完成物件が5%、完成物件が10%という数字を間違えにくくなります。
  • ポイントは「かつ」ではなく「または」である点です。どちらか一方の条件に当てはまれば保全措置が必要になります。
  • 金額は「以下」ではなく「超える」場合です。例えば、完成物件で代金の10%ぴったりの手付金であれば、保全措置は不要です。

3. 保全措置の方法は?

保全措置には、以下の3つの方法があります。物件の状態によって利用できる方法が異なるので注意が必要です。

| 保全措置の方法 | 未完成物件 | 完成物件 | | :--- | :---: | :---: | | 銀行等による保証 | ○ | ○ | | 保険事業者による保証保険 | ○ | ○ | | 指定保管機関による保管 | × | ○ |

【覚え方のコツ】

  • 「銀行・保険・保管(ぎん・ほ・かん)」とリズムで覚えましょう。
  • 最重要ポイント: 「指定保管機関による保管」は、リスクの高い未完成物件では利用できないと覚えてください。 これは試験で頻出のひっかけポイントです。
📝

手付金等の保全措置」― 宅建業法の頻出論点、押さえてる?

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具体例で理解する手付金等の保全措置

【ケース1:未完成物件】 宅建業者Aが売主となり、一般の買主Bが価格5,000万円の新築マンション(工事完了前)を購入する契約を結んだ。

  • 保全措置が必要になる基準額:代金の5%(250万円)または1,000万円。
  • 手付金が300万円の場合:250万円を超えているため、Aは300万円全額について、受領する前に保全措置を講じなければなりません。
  • 手付金が200万円の場合:5%(250万円)以下であり、かつ1,000万円以下なので、保全措置は不要です。

【ケース2:完成物件】 宅建業者Cが売主となり、一般の買主Dが価格4,000万円の中古戸建(工事完了後)を購入する契約を結んだ。

  • 保全措置が必要になる基準額:代金の10%(400万円)または1,000万円。
  • 手付金が500万円の場合:400万円を超えているため、Cは500万円全額について、受領する前に保全措置を講じなければなりません。
  • 手付金400万円と中間金200万円(合計600万円)を受け取る場合:合計額が400万円を超えるため、中間金を受け取る前に、すでに受領した手付金も含めた600万円全額について保全措置が必要です。

試験対策:ひっかけに注意!

  • 業者間取引には適用なし: 売主も買主も宅建業者である場合は、この規制の対象外です。
  • 保全措置が不要になるケース: 基準額以下の場合のほかに、買主への所有権移転登記が完了した場合も保全措置は不要になります。 登記によって買主の権利が法的に保護されるためです。
  • 「手付金等」の範囲: 保全の対象となるのは「手付金」だけではありません。契約日から引渡し前に支払われる中間金なども含まれます。
  • 保全措置のタイミング: 保全措置は、基準額を超える手付金等を受領する前に講じなければなりません。

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よくある質問

Q: 保全措置を講じなかった場合、買主はどうすればよいですか?

A: 売主である宅建業者が、義務があるにもかかわらず保全措置を講じない場合、買主は手付金等の支払いを拒否することができます。 これは買主に与えられた正当な権利です。

Q: なぜ未完成物件では「指定保管機関による保管」が利用できないのですか?

A: 未完成物件は、完成物件に比べて工事が中断したり、倒産したりするリスクがより高いと考えられています。そのため、より保証能力の高い銀行等の保証や保険事業者の保証保険に限定し、買主の保護を一層厚くしているためです。

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※ この記事は2026年度宅建試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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保全措置を講じなかった場合、買主はどうすればよいですか?

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公開日: 2026/4/28 / 更新日: 2026/5/29

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