営業保証金とは?宅建試験の重要ポイントを徹底解説

営業保証金の定義

営業保証金(えいぎょうほしょうきん)とは、宅地建物取引業者が事業を開始する前に、取引で損害を受けた消費者を保護するために、法務局などの供託所(きょうたくしょ)に預けておくお金のことです。 万が一、不動産取引でトラブルが発生し、宅建業者が損害賠償金を支払えなくなった場合に、この営業保証金から被害者が弁済(べんさい)を受けることができます。

宅地建物取引業法第25条では、宅建業者は営業保証金を主たる事務所の最寄りの供託所に供託しなければならないと定められています。 この届出を済ませなければ事業を開始することはできません。

営業保証金のポイント

宅建試験で問われる営業保証金の重要ポイントをまとめました。

| 項目 | 内容 | |:---|:---| | 目的 | 取引の相手方の利益(損害)を保護するため | | 供託義務者 | 宅地建物取引業者 | | 供託先 | 主たる事務所(本店)の最寄りの供託所 | | 供託額 | ・主たる事務所(本店):1,000万円<br>・その他の事務所(支店):1事務所につき500万円 | | 供託のタイミング | 免許を受けた後、事業を開始する前 | | 届出 | 供託後、免許権者(国土交通大臣または都道府県知事)に届け出る必要がある | | 有価証券での供託 | 国債証券や地方債証券などの有価証券で供託することも可能 |

【覚え方のコツ】 金額はゴロ合わせで覚えましょう!

  • 「本店はトー(10)千万、支店はゴー(5)百万!」
📝

営業保証金」― 宅建業法の頻出論点、押さえてる?

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具体例で理解する営業保証金

具体的なケースで、必要な営業保証金の額を計算してみましょう。

  • ケース1:本店のみで開業する場合

    • 必要な営業保証金:1,000万円 この1,000万円を本店の最寄りの供託所に供託します。
  • ケース2:本店と、新たに支店を2つ設置して開業する場合

    • 必要な営業保証金:1,000万円(本店) + 500万円 × 2(支店) = 合計2,000万円 この2,000万円を、まとめて本店の最寄りの供託所に供託します。支店の最寄りの供託所ではない点に注意が必要です。

試験対策:ひっかけに注意!

営業保証金は、類似制度との違いや手続きの順番を問う「ひっかけ問題」が頻出する分野です。以下のポイントに注意しましょう。

  1. 弁済業務保証金制度との混同 宅建業者が「宅地建物取引業保証協会(保証協会)」に加入し、弁済業務保証金分担金を納付すれば、営業保証金の供託が免除されます。 この2つの制度の違いは頻出です。

| | 営業保証金制度 | 弁済業務保証金制度 | |:---|:---|:---| | 金額 | 本店:1,000万円<br>支店:500万円 | 本店:60万円<br>支店:30万円 | | 納付先 | 主たる事務所の最寄りの供託所 | 保証協会 | | 特徴 | 初期費用が高いが、保証協会の年会費などはかからない | 初期費用を大幅に抑えられるため、多くの事業者が選択する |

  1. 供託先・届出先の間違い

    • 営業保証金を供託するのは「主たる事務所の最寄りの供託所」です。「免許権者」や「保証協会」ではありません。
    • 供託した後の届出先は「免許権者」です。「供託所」ではありません。
  2. 手続きの順番 宅建業を開始するまでの流れを正確に覚えましょう。 免許取得 → ①営業保証金の供託 → ②免許権者への届出 → 事業開始 免許を取得しても、供託と届出を完了しなければ事業は開始できません。 免許取得から3ヶ月以内に届出をしないと、免許権者から催告を受け、それでも届出をしない場合は免許を取り消されることがあります。

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よくある質問

Q: なぜこれほど高額な営業保証金を供託する必要があるのですか?

A: これは、高額な取引である不動産売買において、消費者を保護するためです。 万が一、宅建業者の責任で消費者に損害が発生した場合でも、業者が倒産していて賠償能力がなくても、この供託金から損害を弁済できるようにする仕組みです。

Q: ほとんどの不動産会社が保証協会に加入するのはなぜですか?

A: 開業時の初期費用を大幅に抑えられるからです。例えば本店のみで開業する場合、営業保証金制度では1,000万円が必要ですが、保証協会に加入すれば弁済業務保証金分担金として60万円を納付すれば足ります(別途、加入金や会費は必要)。この金額の差が大きいため、多くの事業者が保証協会へ加入する方法を選択します。

Q: 事業を廃止した場合、営業保証金は戻ってきますか?

A: はい、戻ってきます。廃業などにより営業保証金が不要になった場合、取り戻すことができます。 ただし、取引の被害者がいないかを確認するため、6ヶ月以上の期間を定めて公告手続きを行う必要があります。

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※ この記事は2026年度宅建試験の法令に基づいて作成されています。法改正により内容が変更される場合があります。最新情報はe-Gov法令検索でご確認ください。

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なぜこれほど高額な営業保証金を供託する必要があるのですか?

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公開日: 2026/5/4 / 更新日: 2026/5/4

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